学芸大学オフィスに、可愛らしい多肉植物がありました。
クライアントさんから頂いたもの。
部屋の片隅でひっそり、でも小さな葉は伸びて、
いつもパツパツに水分を含んでいました。
先日、カップルのクライアントさんがみえました。
女性は、色白で伏し目がちな、清楚でおとなしいひと。
男性は、がっちりした体躯の、実直そうなひと。
ずっと、男性が質問を繰り出し、女性はじっとして黙っている。
一言も、言葉を発しない。
カードの動きを凝視している。
リーディング終了時間の2分ほど前に、彼女はいきなり切り出す。
「あの。そうしますとですね。
この相手にはバチが当たると?」
「いえ、バチとは申しておりませんが、
今までのように万事うまくはいかなくなるかと。」
すると、女性はカラカラカラカラ、と
まるで漫画のワンシーンのように高笑いして、
「いい気味だ、ああおかしい、楽しいこと。」
と、笑いを抑えられずに口を押さえる。
そんな女性を優しそうにうっとりと見惚れる男性。
私は何故か、身体中に鳥肌が立っていました。
そのカップルが退席し、
ふと、多肉植物を見たらなんと!
みずみずしく、ぷっくりと膨れていた葉は、
すべて溶けたようにしおれきって、ぺちゃんこになっていました。
え?なぜ?どうしたらこんなにシオシオに?
さっきまで、青々と元気だったのに?(・・?
多肉植物は、一瞬で
「多肉植物だった跡」になってしまいました。
不思議です、あのカップル女性の瘴気にやられた?
彼女は、ヒト…?
これは最近、本当にあったお話です。